「建築家と建築以外の領域の表現者との協働」を基本コンセプトとして毎年7月に開催してきたオカムラデザイン
スペースRの第6回は、世界的建築家の一人、伊東豊雄氏と、デザインと工学の境界領域での独創的な創作活動に
よって頭角を現す若手グループ、タクラム・デザイン・エンジニアリングを迎える。
一定の間隔で吊り下げられた約300個の風鈴は、ただの美しいガラスの風鈴にも見えるが、これこそタクラムの真
骨頂、センサーで人の動きを察知して涼しい音を鳴らし、音に合わせてホタルのようにLEDの柔らかな光を発する。
会場では、来場者の動きを追いかけるように頭上の風鈴が音を発して光り、その反応が周辺に広がってゆく。風鈴
は波打つように高さを変えて吊り下げられているので、風鈴の音と光の連鎖は、波紋のように、あるいは群れ飛ぶホ
タルのようにも感じられる。
伊東氏とタクラムが目指す「デザインと工学の協働」によって、真夏のガーデンコートに、光と音の幻想的な風景
が創出される。伊東氏は、「複雑で多様な現代都市では、人々は部分的な、近傍の関係だけで動いているが、それで
結構、全体の秩序が保たれている。これは、近傍のみの関係から成る現代的な全体のあり方の再現だ」と企画の意図
を説明している。